美容業界を志したキッカケは、キャッチセールスのエステ

――ライフビューティーサロン「LA VITA」オーナー兼エステティシャンの佐々木美邦子さんが、エステ業界を志した経緯から教えてください。

「実は、最初はエステティシャンではなく、看護師を目指していました。母が看護師だったこともあって、高校を卒業したら看護学校へ進もうと思ったんです。
私が10歳の頃、母は肝臓病を患って闘病生活を送り、3人兄弟の長男である兄は障がいを持っていたので、私が看護師になれば母や兄の看護ができるかな、と考えて。

でも看護学校1年生の時、私は顔にすごくニキビがあったんですけど、エステに行ってそのニキビが治ったんですね。キャッチセールスで引っかかったエステだったのに(苦笑)」

――キャッチセールスのエステですか!?

「そうです。まず1年分の化粧品を購入し、月1回のフェイシャルは無料、という感じで……。当時は看護学校に通いながらアルバイトをしていたのですが、そのバイト代を全て注ぎ込みました(苦笑)。とはいえ、ニキビは治りましたからね。そこでエステというものを初めて知ったんです。

なぜそれだけ顔にニキビができていたかというと、原因は精神的なものだったと思います。
私は大阪生まれで、17歳の時に父の転勤で東京へ引っ越してきました。でも高校2年生ともなると、もう学校のなかでグループが出来てしまっていて、東京の学校ではあまり友達ができなかったんです。さらに母の病気も悪化して、私自身のメンタルがムチャクチャになっていて。
結果、精神的にキツくなってしまい、看護学校も中途退学しました。

退学したのは、3年生の6月ぐらい。あと半年ぐらい頑張ったら国家資格試験を受けることができる、という時期でした。でも私自身が、精神的な病気になってしまって、そこまで頑張れるような状態ではなくて……。
でも看護学校を辞めて、お薬を飲みながらゆったりとした生活を送っていると。3~4カ月で、精神的にも落ち着きました。そこから人生について考え直して、エステの道に進もうと思ったんです」

「この施術を受けると、こうなって楽しい!」お客様に良いイメージで理解してもらう

――キャッチセールスのエステをキッカケに(苦笑)

「そうですね(笑)。でも、もともと美容にも興味があったのと、改めてエステについて調べていたら、すごく面白かったんです。たとえば、痩せることも、肌がキレイになることも、すべて健康につながっていますよね。
特に、私は看護学校に通っていて、解剖生理学などの知識もあったので、健康につながることを勉強していると、スッと頭のなかに入ってきたんです。
そこで私の意識も変わりました。同じ健康に関わる仕事であっても、看護師として病気の方を看護していくよりも、健康な方が健康でいられるためのお手伝いをするほうが、私に合っているのかも、って。

当時はエステの学校がほとんどななかったので、まずは大手エステに就職し、3カ月間の研修を経て、プロのエステティシャン生活がスタートしました。そこからいくつかのお店や会社を移って今に至るのですが、エステはやっていて楽しかったです。

でも始めた当時は、『一生の仕事としてエステをやっていく』とは考えていなかったですね。社長になるとか、自分でお店を出すとか……自分にはそんなこと絶対に無理だと思っていました。単に“好きなことを仕事にしているだけ”という感覚ぐらいしかなかったです」

――エステの仕事は、どんなところが楽しかったのですか?

「何よりもお客様とお話するのが楽しかったんです。以前に勤めていたエステでは、私は売上でトップ3に入ったんです。当時からカウンセリング、物販や美容の提案が得意だったので。

エステって、“断言”してはいけないんですよ。この施術を受けたら必ずこうなります、という言い方はしてはいけない。でも実際は、施術を受けて頂くと痩せたり、肌がキレイになっていったり、本当に結果が出る方がほとんどなのですが。
だけど“断言”してはいけないので、だから私は『この施術を受けて、この化粧品を使って、こうなったら楽しくないですか?』と、お客様に良いイメージで理解してもらえるようにお話しすることを心がけていました。

その結果、売上でトップ3に入ったことで自信がつき、ゆくゆくは経営を学んで独立しようかと考え始めたんです」

対話しながらお客様の本当に望んでいることを正確に分析し、段階を踏みながらフィードバックしていく

――そして2008年に「プライベートサロン LA VITA」を開業するわけですね。

「開業したはいいものの、やはり集客が大変でした。私も独立する前から人脈づくりに励んでいましたし、独立する時点で数百名のお客様のリストもあったんです。でも皆さん、最初の3カ月ぐらいは“ご祝儀来店”してくださるのですが、それ以降、定期的に来られる方はどんどん減っていって……。

考えてみると、お店に勤めていた頃はある意味、勝手にお客様が来てくれていたわけじゃないですか。でも独立したからには、自分自身で施術メニューの内容なども、もっともっと工夫しなければいけないですからね」

――施術メニューには、どのような工夫を加えてきたのでしょうか。

「最初はオールハンドで、ストーンマッサージや竹を使ったマッサージなど、ナチュラルな感じのメニュー構成にしていました。でも、そのメニューではお客様によって、あるいはセラピストによっては結果が出にくかったんです。
そこで新しい機械を入れようと思って、いろいろ探してみた結果、インディバを導入しました。今さらのように(笑)」

――インディバとは、電磁波エネルギーによる高周波温熱機器ですね。

「私が美容機器で一番注意している点は、安全性です。エステ業界は、機械に関するトラブルが本当に多いので。インディバは、安全性はもちろん、母体のインディバ・ジャパンさんが、研修もすごくしっかりしている会社なので導入しました」

――なるほど。LA VITAのオーナーとして、そしてプロのエステティシャンとしての方針を教えていただけますか。

「お客様が美しくなるために、お客様の思考から変えていく、ということですね」

――というと?

「エステの施術で人を治すことはできません。エステは魔法ではないんです。
1回の施術で、体を細くすることはできます。でも、細くなった体を維持できるかどうかは、お客様の考え方やモチベーション次第で変わりますから。

ひとつ例を挙げると、体型を維持するための体の使い方が、そのお客様にとってストレスがかかるものだったとします。そのストレスによって、お客様自身が『これは疲れる』『これは意味が無い』という思考に結びついてしまってはいけないですよね。

我々の仕事は、いかにして、お客様の思考をラクにしてもらうのか。これに尽きます。

やはり思考によって、結果が出るお客様と、結果が出ない方の差は歴然としています。かといって、私たちエステティシャンが、お客様に何かを諭すというわけではありません。
まずは対話しながらお客様のことを正確に分析し、段階を踏みながらフィードバックしていく。何か施術を始める時は、その理由と、気持ちの作り方もしっかり説明します」

なぜLA VITAの施術は他店よりも結果が出るのか?

――お客様としっかり対話していく。その方針は、プロのエステティシャン生活をスタートさせた頃から変わっていないのですね。

「はい、変わっていません。それと、看護学校で学んだことも、今の仕事に生かされていると思うんです。同じインディバを使ったとしても、他のエステよりLA VITAの施術のほうが結果が出ることに、よくお客様も驚かれます。

なぜLA VITAの施術で結果が出るのか。それは筋肉学が入っているからなんです。単に機械を体にあてるだけではなく、しっかりと筋肉の構造を理解したうえで、効果が出るようにあてる。そういった知識は、看護学校で学んだことでもあり、今も研究し続けていることです。

LA VITAでは、スタッフにも常に研究し続けること、技術を高めていくことを求めています。それだけの向上心、探究心がない人は採用していません」

――他に、プロのエステティシャンとして「これだけは変わらない」というこだわりはありますか?

「絶対にお客様のことを好き嫌いで判断せず愛し続けること、ですね。当たり前のことと思われるかもしれないですけど、なかには陰でお客様のことを、どうこう言う人もいるじゃないですか。
私は、そういうことを一切考えません。昔から、『このお客様は、どうすればもっとキレイになるのだろう?』ということしか考えていなかったし、これからもお客様がキレイになって、そして健康でいられることしか考えないでしょう。
それがプロのエステティシャンとして、そしてLA VITAのオーナーとしての想いです」